LIVE REPORT | 2019.11.29

T-SQUARE

T-SQUARE CONCERT TOUR 2019「HORIZON」11/9(土)大分公演ライブレポート

T-SQUARE CONCERT TOUR 2019「HORIZON」
11/9(土)大分BRICK BLOCK (11/08~11/09 2days公演:day2)
【LIVE REPORT】

【T-SQUARE MEMBERS】安藤正容(Guitars)、伊東たけし(Alto Sax,EWI,Flute)、坂東 慧(Drums)
【SUPPORT MEMBERS】田中晋吾(Bass)、白井アキト(Keyboards)

2019年4月にリリースされた通算46枚目となる最新アルバム『HORIZON』を従えて、九州では恒例の会場となった大分ブリック・ブロック公演。2日間のチケットはSOLD OUT!
開演予定時刻と同時に会場SEが流れ、拍手に包まれながら客席の間を通り抜けてメンバーが登場!やがてイントロで拍手は手拍子へと変わり、最新アルバムのオープニングを飾る「SKY DRIVE」でライヴ開幕。昨年9月の大分公演から約1年2ヶ月ぶりの再会を確認し合うかのように、メンバーとオーディエンスがこの1曲で距離を縮めていきます。

続けて最新作から「Lonesome George」。重厚なリズム・アンサンブルで更に会場はヒートアップ!エンディングでのメンバー間の激しいプレイの応酬で演奏が終わると、伊東からMCの開口一番に「今日は本当にどうもありがとうございました!また会いましょう~」とジョークが飛び出し、会場に笑みがこぼれます。
更に最新作から「Love Game」~「Kasareria」と続き、余韻を残しながら曲は「Maybe I’m Wrong」へ。この曲では、今回のツアー・サポートで初見参となるキーボーディスト:白井にスポットが当たります。緊張感に満ちたインプロヴィゼイションが終わると、会場から大きな拍手が贈られました。

ここでギター:安藤によるMC。「リハーサルは楽しいですよ、曲がだんだん壊れていく。。。」と話すと、再び会場に笑みが。安藤から白井にマイクが渡り、坂東慧、田中晋吾、そして伊東たけしへとメンバー紹介が終わったところで「河野君の曲を次に」と最新作からの「Samba de Bantha」へ。ライヴの雰囲気がガラリと変わるサンバのリズムで、会場は一瞬で「夏」モードに。伊東の奏でるフルートと心地よいアンサンブルにオーディエンスの身体も自然と揺れています。

その熱気をクールダウンさせるかのように、曲は同じく最新作から「追憶の街」。安藤の艶やかなフレーズに導かれて、今度は曲のタイトルに相応しい”URBAN&MOODY”な世界に。そして坂東による超絶圧巻のドラム・ソロから最新作のタイトル曲「Horizon」と「Teasin’」を披露。続く伊東による短いMCを挟んで、ライヴは「Golden Splash」で後半戦へ。

安藤による流麗なギター・ソロを堪能した後は、セクシーなリズム&ビートで始まる最新作からの「Parallel World」。中盤ではベース:田中によるチョッパー奏法を駆使した見事なソロが披露されました。「ワン・ツー!」という坂東のカウントで始まった「High Time」では、ストレートでタイトなロック・ビートが炸裂。ライヴ後半を強力に押し進める起動曲に続いては、キーボードの印象的なイントロと同時に、歓声と共にオーディエンスが総立ちになった「Rondo」へ。この曲でも各メンバーが持つ演奏力の素晴らしさを充分に堪能。この日一番の歓声と拍手に包まれて、本編が終了。

「どうもありがとう!」という伊東の言葉を聞く間もなく、アンコールを求める大きな拍手の中でメンバーは楽屋にもどらず、そのままステージに。「今日はアキトと坂東の日だな」と新メンバーとの演奏を心から楽しんでいる伊東の心情を表言葉が印象的でした。ここで伊東が改めてオーディエンスに深い感謝の意を伝えた後、「明日への扉」でステージが再開。

お客さん一人一人のT-SQUAREに込める想いが込められた手拍子の力強さに、感動しました。T-SQUAREとお客さんの間には”HAPPY MUSIC”以外の何物も存在しない、音楽による「純粋な魂の交感」が目に見えるようで全身に鳥肌が…。

そして坂東によるバス・ドラムのリズムに手拍子が乗り、曲は「Truth」へ!インストゥルメンタル楽曲最高峰の「強靭なるポピュラリティ」をライヴで体感出来ることの幸せは言葉になりません。曲中では”Hey!Hey!Hey!”と大合唱が巻き起こり、作者:安藤の神々しいギター・ソロから白井のキーボード・ソロを受けて伊東のEWIが奏でるメインテーマへと流れるくだりでは、心の奥底から熱いものがグッ!と込み上げる感覚が。魂が宿る伊東のソロ。それを支える4人のメンバーの鉄壁のアンサンブル。

各メンバーの想いが音に乗り移り、それは「音霊」となって聴く者の心奥深くで共鳴します。これほどまでに胸を熱く、そして優しく包み込むインストゥルメンタルは、やはり「T-SQUARE」以外にありません。そしてSET LISTの半分が最新作『HORIZON』の楽曲で占められていたことが、今も尚、T-SQUAREが充実した音楽活動を継続している「証」であったと思います。

最後に伊東からメンバーひとりひとりが紹介されて終演。誰もが心から楽しんで120%満足出来たステージに、メンバーへの惜しみない拍手が長く長く贈られました。やがて、スーッと耳に入ってきたフィル・コリンズの「ワン・モア・ナイト」♪

メンバーも、お客さんも、そしてスタッフも、誰しもが「もう一夜…」と願ってやまない「珠玉のステージ」だったことを物語る優しいBGMを聴きながら、余韻までもが素敵すぎる一夜でした。

《TEXT:松田康宏 写真提供:ブリックブロック》
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